カーボンニュートラルできるかな|ある家庭の場合
日本のカーボンニュートラル宣言
2020年10月26日に当時の菅内閣総理大臣が、カーボンニュートラル宣言をしました。
「日本は2050年までにカーボンニュートラルを目指す」
また、2021年4月には地球温暖化対策推進本部で、2030の目標を宣言しました。
「2050年目標と整合的で、野心的な目標として、
2030年度に、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指す。
さらに、50%の高みに向けて、挑戦を続けていく」
CO2削減の手段
CO2削減のためには、(1)省エネ、(2)エネルギーの脱炭素化、(3)電化という3つの手段の組み合わせによってCO2を削減することになります。
温室効果ガス削減中長期ビジョン検討会とりまとめ(2015.12.17)
http://www.env.go.jp/policy/kikouhendou/kondankai04/02siryou1-1.pdf
部門別の削減目標
環境省では、2030年に全体で46%削減する際、部門別にどのくらいの削減が必要なのかを地球温暖化対策計画で明らかにしています。
2021.10.22地球温暖化対策計画閣議決定
http://www.env.go.jp/earth/211022/mat02.pdf
家庭のCO2排出実態
北海道の住宅では、灯油から2.04t、電気から2.12t、ガソリンで1.10tのCO2を排出しているという統計があります。
令和2年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/kateiCO2tokei.html
ある家庭のCO2排出量
札幌市内の1991年新築戸建て住宅で、50代夫婦二人暮らしの世帯の灯油、電気、ガソリンの使用量からCO2排出量を算出してみます。
暖房はFF式灯油ストーブが1階居間と2階で1台ずつ稼働し、給湯は灯油ボイラー、凍結防止機能のないエアコンがあります。
冷蔵庫1台、テレビ2台、照明はLED化済み、自家用車はハイブリッド車1台で年間10000km程度の稼働。
灯油から2.14tCO2/年、電気から1.06tCO2/年、ガソリンから1.35tCO2/年
という計算になりました。
2030年までの削減目標と達成手段
家庭部門では2030年までに66%減の目標ですので、この家庭では2022年現在4.55tから1.55tへと削減することが目標です。
達成手段として考えられることを列挙してみると
- 断熱リフォームを行って熱の出入りを極小化する。
- 暖房・給湯を電化して灯油の消費を削減する。
- 灯油ストーブを薪ストーブに切り替える。
- 地中熱ヒートポンプによる冷暖房に切り替える。
- 再生可能エネルギー由来の電気契約に切り替える。
- ハイブリッドカーをEVに買い替える。
- 自家用車の所有をやめて、必要時だけEVレンタカーにする。
- 自家発電の太陽光パネルと蓄電池設備を施して、排出CO2と相殺する。
いずれも金額ベースにするとランニングコストの削減効果では回収できないくらいの設備投資が必要になりそうです。