検査の正確性、感度、特異度
定義:
検査の感度とは、「正の事実」を正と判定する確率
特異度とは、「負の事実」を負と判定できる確率
正確性は、誤判定をしない確率といえるでしょう。
ウィルス保有検査を考えてみます。
感度90%の検査を行うと、ウイルス保有者の90%が陽性判定となります。
特異度95%の検査を行うと、ウイルス非保有者の95%が陰性判定となります。
検査対象者1000人中800人がウイルス保有者というケースでは、
検査対象1000人 | ウイルス保有者 800人 | ウイルス非保有者 200人 | 検査結果 |
陽性(感度90%) | 720人(=800×0.9) | 10人(=200-190) | 陽性730人(720+10) |
陰性(特異度95%) | 80人(=800-720) | 190人(=200×0.95) | 陰性270人(80+190) |
感度90%ですから、10%のウイルス保有者を見逃すことになります。
陽性と判定した730人のうち10人(1.4%)が偽陽性(実はウイルス非保有者)、陰性と判定した270人のうち80人(約30%)が偽陰性(実はウイルス保有者)ということになります。
誤判定しているのが90人ですから、検査の正確性は91%(910人÷1000人)です。
検査対象1000人中100人がウイルス保有者というケースでは、
検査対象1000人 | ウイルス保有者 100人 | ウイルス非保有者 900人 | 検査結果 |
検査陽性(感度90%) | 90人(=100×0.9) | 45人(=900-855) | 陽性135人(90+45) |
検査陰性(特異度95%) | 10人(=100-90) | 855人(=900×0.95) | 陰性865人(10+855) |
陽性と判定した135人のうち45人(33%)が偽陽性、陰性と判定した865人のうち10人(1.2%)が偽陰性ということになります。
誤判定が55人ですので、検査の正確性は94.5%(945人÷1000人)です。
同じ検査をしたとしても、本来の有病率によって、偽陽性の割合が多くなったり偽陰性の割合が多くなったり、検査の正確性が変化します。