非営利組織は、政府や企業とは違う何かを行う。
It is that they do something very different from either business or government.
企業は財とサービスを提供する。政府はコントロールする。企業は、顧客が買い、払い、顧客のニーズが満たされたとき役割を果たす。政府は、自らの政策が意図した成果をもたらしたとき役割を果たす。
Business supplies, either goods or services. Government controls. A business has discharged its task when the customer buys the product, pays for it, and is satisfied with it. Government has discharged its function when its policies are effective.
非営利組織は、人を変えたとき役割を果たす。非営利組織が生み出すものは、治癒した患者、学ぶ生徒、自立した成人、すなわち変革された人の人生である。
The product of the “non-profit” institution is a changed human being. The non-profit institutions are human-change agents. Their “product” is a cured patient, a child that learns, a young man or woman grown into a self-respecting adult; a changed human life altogether.
あらゆる非営利組織に共通のミッションとして、人に自己実現の機会を与え、理念と信条と理想に生きる機会を与えるためにも資金が必要である。
Giving is necessary above all so that the non-profits can discharge the one mission they all have in common: to satisfy the need of the American people for self-realization, for living out our ideals, our beliefs, our best opinion of ourselves.
ボランティアは、報酬を得ていないからこそ自らの貢献から満足を得なければならない。したがって、無給ではあってもスタッフとしてマネジメントされなければならない。
Precisely because volunteers do not have the satisfaction of a paycheck, they have to get more satisfaction out of their contribution. They have to be managed as unpaid staff.
アメリカ人は、週に3時間以上ボランティアとして働くようになっているそうです。日本でもボランティア活動はあるものの、仕事を持つ人持たぬ人の平均でそこまでの活動は行っていないと思います。
もっとも、非営利組織として認識されているものの種類も多く、教会、病院、学校なども非営利組織として運営されているものも相当数あるようですから、その点でも日本とは環境が異なります。
前書きの段階でいきなり非営利組織の役割やミッションという重要な言葉が出てきました。
「非営利組織の成果は人の人生を変えること、ミッションは人に自己実現の機会を与えることである」としたのです。
会社組織においても、財やサービスによって顧客の人生をより豊かにするとか、そこで働く人たちが自己実現することができるなら、よりすばらしい組織になるだろうと思います。
本書のタイトルは「非営利組織」限定の本である印象を与えていますが、すべての組織人に読んでほしい本です。