ピーター・ドラッカーの「非営利組織の経営」を目次に沿って少しずつ抜粋し、私の感想(一応解説のつもり)も添えながら紹介していきます。
本書は、1990年、ドラッカーが80歳の時の著作です。
本書全体を、訳者である上田惇生さんが”訳者あとがき”にまとめているので、抜粋します。
非営利組織とは、政府機関からなる公的セクター、企業からなる民間セクターと並ぶべき第三の領域、社会的セクターの担い手である。活力ある社会的セクターの存在なくしては、現代社会が機能しえないことは、もはや誰の目にも明らかである。
しかもドラッカーは、社会的な存在としての人間は自らが機能する社会を必要とする、という。そしてその社会が社会として機能するには、一人ひとりの人間に位置づけと役割が与えられ、そこにある権力が正当でなければならないという。
その人間に位置づけと役割を与えるものがコミュニティであり、いまやそのコミュニティの役割を果たすものが非営利組織である。
したがって本書は、非営利組織のマネジメントのハウツーをはるかに超えた深さを持つものである。
早坂 展
目次
まえがき
第1部 ミッションとリーダーシップ
第1章 ミッション
第2章 イノベーションとリーダーシップ
第3章 目標の設定|ヘッセルバインとの対話
第4章 リーダーの責任|マックス・ドプリーとの対話
第5章 リーダーであるということ|まとめとしてのアクション・ポイント
第2部 マーケティング、イノベーション、資金源開拓
第1章 マーケティングと資金源開拓
第2章 成功する戦略
第3章 非営利組織のマーケティング戦略|フィリップ・コトラーとの対話
第4章 資金源の開拓|ダトレイ・ハフナーとの対話
第5章 非営利組織の戦略|まとめとしてのアクション・ポイント
第3部 非営利組織の成果
第1章 非営利組織にとっての成果
第2章 「してはならないこと」と「しなければならないこと」
第3章 成果を上げるための意思決定
第4章 学校の改革|アルバート・シャンカーとの対話
第5章 成果が評価基準|まとめとしてのアクション・ポイント
第4部 ボランティアと理事会
第1章 人事と組織
第2章 理事会とコミュニティ
第3章 ボランティアから無給のスタッフへの転身|レオ・バーテルとの対話
第4章 理事会の役割|デヴィッド・ハバードとの対話
第5章 人のマネジメント|まとめとしてのアクション・ポイント
第5部 自己開発
第1章 自らの成長
第2章 何によって憶えられたいか
第3章 第2の人生としての非営利組織|ロバート・バフォードとの対話
第4章 非営利組織における女性の活躍|ロクサンヌ・スピッツァーレーマンとの対話
第5章 自らを成長させるということ|まとめとしてのアクション・ポイント