能力向上の方法を知る

貢献という意味での自己開発はなされるべきことから始まる。外の世界のニーズと機会に、自らの能力と強みをマッチさせるとき成果が得られる。

具体的には二つの方法がある。一つは既に良く行っていることをさらに良く行うこと、すなわち改善である。もう一つは、それまでとは違うことを行うこと、すなわちイノベーションである。いずれもが重要である。

イノベーションに力を入れ改善を怠ることは間違いである。改善ばかりに力を入れ、やがてイノベーションを行う時が来ることを忘れることも、同じように愚かというべきである。

問題があるときではなく、うまくいっているときにこそイノベーションは行わなければならない。うまくいっているときこそが、外からの助け、良き師の助けが必要なときである。成果を上げるほど、目の前の仕事、緊急の仕事に没入しているおそれがある。

貢献の能力の向上には具体的な方策がある。例えば、教えることが最高の方法の一つである。先生のほうが生徒よりも多くを学ぶ。部下や同僚の成果を向上させることに正面から取り組んだことのある者ならば、教えることが自らの能力の向上にどれだけ役に立つかを知っているはずである。


人は容易に日常に没入してしまうので、常に自らの仕事ぶりを監視し、改善とイノベーションを続けていくことが大事なんだ、頑張れ、と厳しくも励まされているようです。

「非営利組織の経営」という本でしたが、この第5部は非営利組織のみならず、どんな組織であるいは一人で働いていようとも、一人ひとりがそれぞれ能力向上を続けるように願って書かれたのだと思います。

本書は次のように結ばれています。

「自己開発は哲学でも願望でもない。それは人としての成長である。同時に、貢献の能力の向上である。したがって、私はあなたに『明日何をしますか。何をやめますか』とお聞きすることによって本書の結びとしたい。」

2014/2/12

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