男性社会での女性役員

ロクサンヌ・スピッツァーレーマン:非営利病院チェーン、聖ヨゼフ病院副理事長。著書「看護の生産性」(1986)

ドラッカー:女性が従属的である職場でリーダー的な地位に入りつつある女性に対し、何かアドバイスはありますか。

スピッツァーレーマン:役員へのアドバイスは、性別に関係ありません。女性、特に医療の世界での女性は、チームで働けることが武器になると思います。全体のために自分の持っているものを手放す。人を助けるために部署や担当まで手放す。権限が交差するマトリクス型組織を歓迎する。他の部署のことを考える。

ド:あなたの病院は強力なことで有名な理事会を持っています。しかし、女性をトップマネジメントに持つということに、彼らは抵抗を感じていたようです。

ス:うちの理事会も、他の病院の理事会のように完全な男社会です。今でも常勤の理事は私一人です。非常勤の女性理事の方々が私を助けてくれます。皆さん有能なビジネスウーマンです。

ド:人間関係の能力はどのようにして身につけましたか。

ス:ある種の対人的なスキルは自然に身に付いたと思います。調整能力やコミュニケーション能力は、試行錯誤で学んでいくものだと思います。謙虚に学んでいくものです。
看護というものについては私なりのビジョンを持っています。そのビジョンを伝えるのに苦労したことはありません。ありがたいことに大勢の人がわかってくれました。共通のものさえ持てば、一緒に働くことは容易です。

ド:「頑張りすぎないでね」と言われませんでしたか。

ス:今でも言われますよ。事実頑張ってきました。「そんなに攻撃的にならないで」と何度言われたかわかりません。しかし、何かを心底思っているときは、攻撃的にならないでいることのほうが難しいと思います。

ド:ロクサンヌ、あなたは本当に信念の人ですね。


ロクサンヌ・スピッツァーレーマン氏について詳しいことは知りませんが、会話を読むかぎり一生懸命仕事に頑張って大病院の看護師からそこの経営者に上っていった 方のようです。

看護師という女性世界から、経営者という男性社会へと環境が変化する中、成果をあげる方法は変わらないということを読み取ることができる会話です。

明確なビジョンを持って、それを折に触れて伝え続けてチームの力を引き出すということで、たくさんの看護師たちを引っ張り、副理事長として経営者たちのチームを引っ張って言ったということです。

フルタイムの仕事をしながら、子育てをし、自分も大学院に通っている生活は「目が回る」と本文中で述べていますが、人一倍頑張ることが必要なのは間違いないようです。

2014/2/8

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