成果を上げる人と上げない人の差は才能ではない。いくつかの習慣的な姿勢と基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である。
成果を上げる道は、尊敬すべき上司、成功している上司をまねることではない。たとえ私の本であっても、そこに載っているプログラムに従うことではない。自らの強みを発揮しなければ成果を上げることはできない。なすべきは自らが持っていないものではなく、自らが持っているものを使って成果を上げることである。
強みとはスキルの有無ではない。能力である。それは右利きや左利きのように、変えにくいものである。
強みが人によって大きく違うことが広く認識されるようになったのは、ごく最近のことである。朝型人間がいる。知覚型人間がいて、理論型人間がいる。
「いくつかの習慣的な姿勢と基礎的な方法」については、名著「経営者の条件」に詳しく書かれています。
ここで簡単に列挙すると、①何に自分の時間がとられているかを知る。②外の世界に対する貢献に焦点を合わせる。③強みを基盤にする。④優れた仕事が際立った成果を上げる領域に集中する。⑤成果を上げるよう意思決定する。という順序です。
これらのことを「習慣として」身につけることができると、成果を上げる人になれるとしているのです。
自分の強みは何かというのは、なかなかわかりづらいものです。簡単なのは、他の人に「私の強みは何でしょうか」と聞いてみることです。誰でも自分と同じようにできると思っていたことが、他の人にはまねのできないやり方かもしれません。
自分一人で強みを見つける方法は、前のセクションに出てきたフィードバック分析だとドラッカーは言っています。彼はこの方法を数十年にわたって続けているとの記述があります。自分に期待することを書き留めておき、9か月後や1年後に書き留めておいた期待と実績を見比べて、とてもうまくいったものは強みを発揮できていた可能性が高いというやり方です。
気の長いことではありますが、確かな方法なのでしょう。
2014/2/3