人を育てる事についてわれわれはかなりのことを知っている。特に、何を行うべきでないかについてよく知っている。
What do we know about developing people? Quite a bit. We certainly know what not to do.
第一に、不得意なことで何かを行わせてはならない。組織で人に働いてもらうには、弱みを気にすることなく強みを活かさなければならない。
First, one doesn’t try to build on people’s weaknesses. if you want people to perform in an organization, you have to use their strengths—not emphasize their weaknesses.
成人して働くようになった頃には、個性は出来上がっている。礼儀、態度、スキル、知識は学ぶことができる。だが個性を変えることはできない。
By the time people come to work, their personalities are set. One can expect adults to develop manners and behavior and to learn skills and knowledge. But one has to use people’s personalities the way they are, not the way we would like them to be.
第二に、近視眼的に育ててはならない。身につけさせるべきスキルはある。だが人を育てるということはキャリアと人生に関わることである。仕事は人生の目標に合わせなければならない。
A second don’t is to take a narrow and shortsighted view of the development of people. One has to learn specific skills for a specific job. But development is more than that: it has to be for a career and for a life. The specific job must fit into this longer-term goal.
第三に、エリート扱いをしてはならない。私の経験では、23歳の有望株が45歳のバリバリになる保障はない。50歳で世界を舞台に活躍している者が、23歳の頃にはぼんやりした青年だったりする。
Another thing we now know is not to establish crown princes. My experience is that the correlation between the high-promise people at age twenty-three and the performers at age forty-five is very poor. Lots of people I know who are world beaters at age fifty were drab and dull when they were twenty-three.
上記では、行うべきでないことについて列挙されています。同じセクションで、上手に人を育てる牧師の例が紹介されています。その牧師の教会ではたくさんのボランティアリーダーが育っており、若い人を育てるために4種類の教師を用意するというのです。
①導いてやる相談相手、②スキルを伸ばしてやる指導者、③進歩を評価してやる評価者、④励ましてやる激励者で、トップは激励者の役割を担っているとのことです。
もちろん、育つ側にそれを受け入れる心構えがなくては、体制があっても育たないとは思いますし、特に優秀な人であれば放置しても勝手に育つという場合もあるでしょう。しかし、体制があるのとないのとでは、大多数の平凡な人を育てることに成功する確率が全く違ってくるのだと思います。
組織としての成果を出すのは人が担うので、体系的にあるいは明示的に人を育てる体制を整え、人を育てることを”仕事として”行うことが大事だということです。
2014/1/12