多様な関係者

非営利組織と企業との最大の違いは、非営利組織には多様な関係者がいるところにある。
One of the basic differences between businesses and non-profits is that non-profits always have a multitude of constituencies.

かつて企業には関係者は一種類、顧客しかいなかった。当時は、従業員、コミュニティ、環境、株主さえ制約要因にすぎなかった。
It used to be that a business could plan in terms of one constituency, the customers and their satisfaction—the Japanese still do. Everybody else—employees, the community, the environment, maybe even the shareholders—were restraints.

ところが、非営利組織にとっては関係者はもともとたくさんいる。そのいずれもが拒否権を持っている。
But in the non-profit institution there have always been a multitude of groups, each with a veto power.

学校の校長は、教師、教育委員会、納税者、保護者、生徒まで満足させなければならない。これら5種類の顧客が皆、学校を違う角度から見ている。彼らのいずれもが学校にとって欠くことのできない存在である。
A school principal has to satisfy teachers, the school board, the taxpayers, parents, and, in a high school, the students themselves. Five constituencies, each of which sees the school differently. Each of them is essential, and each has its own objectives.


非営利組織では、もともと大義をもってミッションを定義し、賛同者から寄付を集めて大義を果たすための活動をするというところが原点なので、賛同者(寄付者)には「自分は大義のために貢献している」と自覚させ続けることが必要です。当然その活動の恩恵を受ける人からは「この組織があってありがたい」と思い続けてもらうことが必要です。

その他に、ボランティアとして参加してくれている人にも、無給であるが故にやりがいのある仕事で成長することを後押ししなければなりません。

このように多様な関係者皆を満足させないといけないわけですから、企業よりもマネジメントが困難だということなのです。

とはいえ、上記で「かつて企業には」と書かれているように、今では企業にとっても、従業員や株主、地域社会などから「No」を突きつけられると、退場を余儀なくされるケースもあることを考えると、企業においても、非営利組織のような運営が求められている時代だとも言えそうです。

2013/12/23

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