廃棄のシステムをつくる

イノベーションのための戦略を成功させるためには、機能しなくなったもの、貢献しなくなったもの、役に立たなくなったものを廃棄するシステムが必要である。
Strategy organize itself to abandon what no longer works, what no longer contributes, what no longer serves.

教会といえども、もし面倒を見るべき者がいなくなり、質の良いサービスを提供できなくなったのであれば、独身部の活動を中止すべきである。
A church must get out of the singles ministry if it doesn’t have the right person to run it and cannot guarantee a quality service.

これを行わないかぎり、いかなる組織といえども、肥大化の挙げ句、重要な資源を成果の望みえないところへ注ぎ続けることになる。
If you don’t build it in, you’ll soon overload your organization and put good resources where the results don’t follow.

非営利組織が常に考えるべき問題が、「顧客にとって大事な何を行うことができるか」である。
そのあとで、提供できるサービスの構造を考え、提供の仕方を考え、人の手配を考える。
そして再び基本に返り、何を、いつ、どこで行うかを考える。さらに誰が行うかを考える。
The question always before the non-profit executive is: What should our service do for the customer that is of importance to that customer?
Then think through how the service should be structured, be offered, be staffed.
End up with nuts and bolts: What to do, when to do, where to do. And most importantly, who is to do it?


「廃棄」はドラッカーがいろいろなところで強調している手法です。

個人においても組織においても、現状ですでに活動は一杯であるから廃棄せずに新しいものに手を付けることはできないし、また、常に惰性に流されるから廃棄することをルール化しておくべきだとしているのです。

上記で「廃棄するシステム」と言っているのは、それを自動的に動く装置のように、ルール化しておくべきことを強調しています。

特に非営利組織の場合には、何らかのニーズがあって、あるいは救うべき人がそこにいるから、ある活動を続けているはずです。そして、それを廃棄することは、ニーズがゼロになったわけでもないのに活動を止めるということですから、大きな抵抗を感じることです。

だからこそ、常に基本に返ることをルール化し習慣化せよと促しているのです。「その活動を行っていなかったとして、新たにそれを始めるか」を常に考えなければならないということです。

さて、戦略に関しての本章は、次の記述で結んでいます。

「非営利組織たるものは、顧客と寄付者に敬意を払い、彼らにとって価値あることを聞き、彼らの満足を理解することができなければならない。万が一にも、仕えるべき相手に、自らの考えを押し付けることがあってはならない。」

2013/12/21

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