非営利組織のマーケティング

非営利組織のマーケティングは販売とはまったく違う。
The marketing you do in the non-profit sector is quite different from selling.

マーケティングとは、まずマーケットを知ることである。マーケットリサーチである。次に、マーケット・セグメンテーションである。そして提供するサービスの受け手の側に立つことである。そのためには、何を、誰に、いつ売るかを知らなければならない。
It’s more a matter of knowing your market—call it market research—of segmenting your market, of looking at your service from the recipient’s point of view. You have to know what to sell, to whom to sell, and when to sell.

非営利組織のマネジメントには、構想の段階からマーケティングを組み込んでおくことが必要である。提供すべきサービスを設計してから売り込みにかかるなどということはしない。
To run a non-profit effectively, the marketing must be built into the design of the service. They doesn’t design a service and then start peddling it.

非営利組織のマーケティングにおいて特に留意すべき重要なことが、強みへの集中である。病院にしても、不得意なことに手を広げてはならない。同じことは大学にもいえる。成果の期待しえない分野には貴重な資源を注ぐべきではない。これがマーケティングに関わる第一の原則である。
An important point to remember, incidentally, in designing a Non-profit’s service and marketing is to focus only on those things you are competent to do. If you run a hospital, you’d better not try to do what you are not competent to do. The same is true of colleges. Don’t put your scarce resources where you aren’t going to have results. This may be the first rule for effective marketing.

第二の原則は、あらゆる関係者を知ることである。そう、あらゆる関係者である。ノーと言うことのできる者を顧客と呼ぶならば、非営利組織には何種類もの顧客がいる。
And then, the second rule, know your customers. Yes, I said customers. Practically everybody has more than one customer, if you define a customer as a person who can say no.

ボーイスカウトやガールスカウトには多くの顧客がいる。親がいる。子どもがいる。働いてくれるボランティアがいる。生徒の参加を禁止できることさえできる地元の学校の先生方がいる。
The Boy Scouts or Girl Scouts have even more customers: they have the parents, and they have the kids. But then there are the volunteers, without whom no scouting organization could be run. And the teachers in the school also have to be “sold” on scouting, or they could easily impede or perhaps even veto it.


マーケティングというと、企業がいかにしてシェアを伸ばすかということを目的に、市場調査を行ったり商品開発を行ったりする活動のことを思い浮かべるのですが、ドラッカーは、非営利組織においてもマーケティングが必要だとしています。

それも、「何をするのか」を決める前の構想段階からマーケティングを行わなければならないとしているのです。

「世の中に善いことを提供する」という大義を目的とした非営利組織であっても、それは本当に世の中に求められていることなのか、どうやって世の中に認知させ、必要とされる人に自らの存在を知らせるのかということを、予め調査し決めておかなければならないということなのです。

2013/11/29

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