あなたはCEOではないかもしれない。週に3時間のボランティアにすぎないかもしれない。患者のベッドに花をいけてやっているにすぎないかもしれない。しかし、そのあなたがいまやリーダーである。非営利組織のボランティアであるということは、社会のリーダーであるということである。
You may think, that’s fine for the CEO, but I’m only a volunteer putting in three hours a week, being a den mother or arranging flowers at a patient’s bedside. You are a leader.
単に投票し税金を納めるだけではなく、皆が能動的に働くという昔のような市民社会をいまわれわれは作りつつあるということこそ、心躍るまったく新しい事態である。
The exciting thing, the new thing, is that we are creating a society of citizens in the old sense of people who actively work, rather than just passively vote and pay taxes.
企業がそのような社会を作ることは難しい。参加型マネジメントについて多くのことが論じられているが、実現は遠い。障害が多すぎる。
We are not doing it in business. There is a lot of talk of participative management; but there is not much reality to it, and in many ways, there never will be. The pressures are perhaps too great.
ところがわれわれは、これを、一人ひとりの人間がリーダーである非営利組織において実現しつつある。協会では聖職者ではない無給のスタッフが大勢働いている。ガールスカウトには有給のスタッフの100倍のボランティアが責任ある仕事をしている。
But we are doing exactly this in the non-profit, the service institution, where increasingly there are only leaders. In a church there are a very small number of people who are ordained, but one thousand people who work and do major tasks for the church who are not ordained, never will be, never get a penny. In the Girl Scouts of the U.S.A., there are one hundred volunteers for every paid staff member, and each is doing a responsible task.
アメリカでは、教会や病院、教育機関にボランティアとして働く人がたくさんいるようです。
ドラッカーは、そういった多数のボランティアが活動できる環境をとても喜んでいるようです。組織のミッションに賛同し、活動に参加していることによってたくさんの人が幸せでいられるような市民社会が作られつつあると感じていたのだと思います。
そしてそのような組織を率いるリーダーについて、次のような記述で本章を結んでいます。
「もはやミッションとリーダーシップは、読んだり聞いたりするだけのものではない。実践するものである。良き意図と知識を、成果をあげる行動へと転換するものである。来年ではなく、明日の朝転換するものである。
Therefore, mission and leadership are not just things to read about, to listen to. They are things to do something about. Things that you can, and should, convert from good intentions and from knowledge into effective action, not next year, but tomorrow morning.」
2013/11/28