成功する人たちは、自らが行ったこと、そのうち意義の大きなもの、さらに力を入れるべきものについて、年に一・二度反省している。私自身も1940年頃から毎年8月には2週間ほどかけて一年間を反省している。
「いかなる分野で大きな貢献をしたか。いかなる分野が私を必要としているか。最高の貢献をし最高の成長をするためには、いかなる分野に集中すべきか」
成功に必要なものは責任である。あらゆるものがそこから始まる。責任をもつということは、仕事にふさわしく成長したいといえるところまで真剣に仕事に取り組むことである。
自己開発とは、スキルを習得するだけでなく、人間として大きくなることである。おまけに、責任に焦点を合わせるとき、人は自らについてより大きな見方をするようになる。うぬぼれやプライドではない。誇りと自信である。一度身に付けてしまえば失うことのない何かである。目指すべきは、外なる成長であり、内なる成長である。
ドラッカーは強みを生かせと何度も言います。このセクションでも「人は強みへの集中によってのみ自らの成長を図ることができる」という記述があります。
自分の強みは何か、どのように変わってきているかをはっきりさせるためにも、上記で紹介されているような反省(ふりかえり)が有効なのでしょう。もちろん失敗から学ぶものはたくさんあります。しかし、うまくいった仕事には自分の強みが発揮できていた可能性が高いので、強みを見つけるためにはうまくいった仕事を思い出すことのほうが有効だということなのです。
強みを発揮してさらに大きなことを成し遂げていく、より大きな責任をもつようになり、その責任を果たすためにさらに自分の強みに磨きをかける、という好循環に乗って人は成長していくということなのではないかと思います。
2014/1/31