仕事と成果を明確にする

第一に、仕事の内容を明確にしなければならない。このことは、ボランティア、理事会、有給のスタッフにいえる。彼らすべてが自らの組織が求めているものを知らなければならない。
People require clear assignments. That’s true of volunteers; that’s true of the board; that’s true of the employed staff. They need to know what the institution expects of them.

有給無給のスタッフについていうならば、彼らとマネジメントが話し合って、なすべき貢献を明らかにし、目標を定め、締め切りのある具体的なプランを作らなければならない。
The non-profit executive must work both with employed staff and with volunteers so that they can think through their contribution, spell it out clearly, and evolve by joint discussion a specific work plan, with specific goals and specific deadlines.

第二に、成果を中心におかなければならない。彼らには成果を上げる責任がある。同時に、彼らをマネジメントする側には人間的である責任がある。
Emphasis in managing people should always be on performance. They owe performance, and the executive owes them compassion.

人は失敗しても再びチャンスを与えられればやり遂げる。たとえ二度失敗しても、単にそれが適した仕事でなかっただけのことかもしれない。「どこが適しているか、別の部署か、よその組織か」を考えなければならない。
People given a second chance usually come through. If people try, give them a second chance. If people try again and they still do not perform, they may be in the wrong spot. Then one asks: Where should he or she be? Perhaps in another position in the organization—or perhaps elsewhere, in another organization.

非営利組織でよく目にする問題が、友人を作れないためにボランティアになる人たちに関わる問題である。うまくいけば大活躍してくれる。組織のほうも、彼らにコミュニティを与えることによって彼らの貢献を上回るお返しをすることができる。
A recurring problem for non-profit organizations such as churches, hospitals, and the Scouts are the people who volunteer because they are profoundly lonely. When it works, these volunteers can do a great deal for the organization—and the organization, by giving them a community, gives even more back to them.


一人ひとりが、自らの求められている貢献が何であるかを認識し、仕事の内容を明確にし、成果を上げることに責任をもつ、という企業であれば仕事をする上で当然のことを述べているわけですが、それは非営利組織で働く場合にも同じだと言っているのだと思います。

マネジメントする側は人間的であれという記述がありますが、仲良くしなさいという意味ではなく、成果が出ない時にはその原因と対策を当人と一緒に考え、励まし、次に向かっていけるように支援していくということでしょう。

最後の段落に「貢献を上回るお返し」という表現があります。組織と個人が互いに貢献し合う関係であることによって、一人ひとりは自ら進んで組織の成果に貢献でき、それを結集して組織が社会に貢献していくという、

いわば貢献の連鎖によってたくさんの人が幸せになれる社会を作りたいというドラッカーの願いが見えます。

2014/1/28

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