非営利組織の強みは、報酬のためでなく大義のために働くところにある。それだけに、組織の側に、情熱の火を燃え続けさせる責任がある。仕事を労働にさせてはならない。
One of the great strengths of a non-profit organization is that people don’t work for a living, they work for a cause. That also creates a tremendous responsibility for the institution, to keep the flame alive, not to allow work to become just a “job.”
情熱の維持については、非営利組織の中では病院が特に不得手なようである。あまりに多くの仕事が定型的である。辛いことから身を守るために無感覚になろうとしているということもある。
Hospitals, it seems to me, do the poorest job of keeping that spirit alive. So many jobs there are just routine. Partly because people do need protection against the suffering, they become callous.
したがって病院において大事なことは、いろいろな部門の人を集め、「われわれが誇りとするものは何か」「われわれはどのような素晴らしいことをしたか」と聞くことである。
The leadership challenge in a hospital—for a good administrator, for a good director of nursing—is to bring people from half a dozen departments together again and again and ask: What can we be proud of? Have we really made a difference?
ミッションを感じることこそが、非営利組織の活力の源泉である。しかし、そこには困った問題もついている。成果をあげられない者を抱え込むという問題である。できない者もまた戦友である。仕事ができなくとも辞めさせることには二の足を踏んでしまう。
That sense of mission should be a tremendous source of strength for any non-profit organization. But it comes with a price tag. The non-profit executive is always inclined to be reluctant to let a non-producer go. You feel he or she is a comrade-in-arms and make all kinds of excuses.
この問題についてはシンプルな原則を述べておく。挑戦してくるならばチャンスを与えるべきである。挑戦してこないならば辞めてもらうべきである。
So, let me repeat the simple rule once more: If they try, they deserve another chance. If they don’t try, make sure they leave.
ミッションを再認識させることを通じて、働く人のやる気を引き出す、モチベーションを向上させるというのは、やはり人は容易に日常に埋没してしまうからだと思います。
そこで定期的に上記のような問いを投げかけ、組織の目的や自分の貢献について考えさせ、その意欲の維持を図るべきだということでしょう。
ドラッカーは著書「現代の経営」で、働く人の動機づけについて一章を割いて説明しています。
そこでは、人に最高の仕事をしてもらうために必要だとしたものは「責任」です。一人ひとりに責任をもたせることによって人は最高の仕事をするようになるのだとしたのです。
そして、一人ひとりに責任をもたせるために組織がすべきことは、①人を正しく配置すること②高い基準を要求すること③自ら評価できるような情報を与えること④仕事の設計に参画させること、を挙げています。
2014/1/14