強みに焦点を合わせる

重要なことは実力であって見込みではない。要求は厳しくしなければならない。基準は途中で引き上げることはできない。したがって時間は与えてよい。ゆっくりやらせてよい。何度やらせてもよい。しかし質を落としてはならない。
With the focus on performance rather than potential, the non-profit executive can make high demands. One can always relax standards, but one can never raise them. So, with the beginner, take more time. Make things easy. He may have to try again and again, but there is only one standard for quality performance and he has to meet it.

人事は強みを中心に行わなければならない。そして時間をかけてていねいに評価しなければならない。向かい合って、約束はこうだった、この一年どうだったか、何をうまくやれたか、と聞かなければならない。
The non-profit executive must learn how to place people’s strengths. Then make really stringent demands, and take the time and trouble (it’s hard work) to review performance. Sit down with people and say: This is what you and I committed ourselves to a year ago. How have you done? What have you done well?

人には向き不向き、出来不出来があって当然である。人の組み合わせが悪いために仕事がうまくいかないこともある。誰とでもうまくやれるとは限らない。他の仕事も試させなければならない。
You may put somebody into a specific job and the chemistry is wrong, it doesn’t work. People don’t always get along with a boss. So, you try them in another job.

これらのことすべてに、明快でシンプルなミッションが必要である。ミッションは、どのような能力をも上回るものでなければならない。それは人の目線を引き上げるものでなければならない。
For all this to come together, the mission has to be clear and simple. It has to be bigger than any one person’s capacity. It has to lift up people’s vision.


ドラッカーは、弱みを見るなと言いながら仕事の質を落とすなと、一見無理なことを要求します。仕事の着手から完成までを一人で行わなければならないような体制の場合には、その仕事の品質はその人の弱みを上回ることができません。

しかし、組織で仕事を行うならば、弱みをカバーし合いながら仕事の品質を上げることができるはずです。

例えば、何かのイベントを開催するときには、企画案を作り、関係者の合意を取り付け、実行のための資源を用意し、イベントの進行と予想外の出来事に対応し、その後片付けと報告会を行う、という一連の仕事があります。

予想外の出来事への対処が苦手という弱みを持っている人がいても、別の人がこれをカバーするようにし、当人には報告会の役割を与えるなどすることにより、チームとしての仕事の質を落とさずに組み合わせるというようなことです。

こうして一人ひとりが強みを持つ部分で十分に、いや十二分に実力を発揮し合い、弱みはカバーし合いながら、チーム全体で仕事の品質を担保せよということなのだと思います。

とても高い水準を求められているということがわかります。

2014/1/13

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