意思決定のリスク

意思決定にはリスクが伴う。優れた意思決定には時間と思考が必要とされる。だからこそ余計な決定はしてはならない。
Decisions always involve risk taking. And effective decisions take a lot of time and thought. For this reason, one doesn’t make unnecessary decisions.

問題は機会とリスクの関係である。検討は、リスクからではなく機会から始めるべきである。「うまくいったら何を意味する事になるか」を考え、そのあとリスクを考える。
The next question in decision making is opportunity versus risk. One starts out with the opportunity, not with the risk: If this works, what will it do for us? Then look at the risks.

リスクには3種類ある。負えるリスクがある。失敗しても小さな害ですみ、しかも元に戻せる。
それに対し、失敗したら深刻な害をもたらし、しかも元に戻せないリスクがある。
そしてもう一つ、失敗すれば害は大きいが負わざるを得ないというリスクがある。
And there are three kinds of risks: There is the risk we can afford to take. If it goes wrong, it is easily reversible with minor damage.
Then there is the irreversible decision, when failure may do serious harm.
Finally there is the decision where the risk is great but one cannot afford not to take it.


リスクは不確実性と言い換えても良いと思いますが、意思決定を行いそれに従って行動したとしても想定通り事が進むことは少ないということです。特に影響範囲が広いとか、影響期間が長いというような重要な意思決定の場合には、決定に必要な材料がすべてそろっていることは期待できませんし、そもそも材料にも誤りがあるかもしれません。

そんな中で意思決定を行うためには、ある程度まとまった集中して考える時間が必要だということだと思います。

ドラッカーは上記のようにリスクを3種類に分類しています。その中で一番頭を悩ませるのが最後のリスクでしょう。

1番目2番目のリスクについてはほぼ結論が明らかですが、3番目の「害が大きいのに負わなければならないリスク」は決断を鈍らせます。できることなら2番目の「負えないリスク」に分類して、その決定をしないという選択をしたくなります。

しかしドラッカーは、「負わざるを得ないリスク」から逃げてはならないと、(特にトップマネジメントに対して)激励しているのではないかと思います。

2014/1/1

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