何のための決定か

トップマネジメントが行っている仕事のほとんどは他の者でもできる。だが致命的に重要な意思決定を行うことのできるのは、トップマネジメントだけである。トップマネジメントとしては、成果をあげる意思決定を行うか、その任に耐えられず馬脚をあらわすかのいずれかしかない。
Most of the other tasks executives do, other people could do. But only executives can make the decisions. And they either make decisions effectively or they render themselves ineffective.

のべつ意思決定を行う者は、意思決定の成果をあげられない。成果をあげる者は、さほど多くの決定は行わない。重要な決定に集中する。
意思決定にかける時間を間違う者もいる。重要な決定に時間をかけずに、意味のない、しかも易しい決定に時間をかけている。
The least effective decision makers are the ones who constantly make decisions. The effective ones make very few. They concentrate on the important decisions.
And even people who work hard on making decisions often misapply their time. They slight the important decisions and spend excessive time making easy—or irrelevant—decisions.

意思決定において最も重要なのは、「何のための決定か」を考える部分である。意思決定が見えたとおりの問題であることは稀である。問題と思ったものは現象にすぎない。
The most important part of the effective decision is to ask: What is the decision really about? Very rarely is a decision about what it seems to be about. That’s usually a symptom.


継続して活動している組織や企業では、どのレベルでどんな意思決定をするのかを、ある程度ルール化されているでしょう。例えば、支店長権限はここまで、とか、部長決裁はいくらまで、とか、現場の担当者の活動時間は自分で決めてよいなどというものです。

トップマネジメントが担う致命的に重要な意思決定とは、組織の向かうべき方向性を示すとか、成果の基準を定めるとか、経営資源を割り振るといった、その組織が社会に対してどんな価値を提供していくのかを決定づけるような内容です。

これらの意思決定はそれほど頻度多く行うものではありませんが、どれも決定には多くの時間がかかるものなので、その他の重要度の低い決定事項については予め権限を委譲しておかなければならないということになります。

そうしなければ、日常の些細なしかも膨大な量の意思決定に時間を取られ、外部の変化に鈍くなって、いつしか方向性を見失うという事になってしまうのだろうと思います。

その意思決定の重要性を見分ける鍵になるのが、「何のための決定か」という問いなのだと言っているのでしょう。

2013/12/31

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