権限移譲のルール

あらゆる者が権限の委譲が大切であるという。しかし権限の委譲を意味のあるものにするには簡単なルールが必要である。
委譲した権限の内容、目標、期限を明確にしなければならない。委譲した者と委譲された者との間に期待と責任についての理解がなければならない。さらには、委譲した側からのフォローがなければならない。
Everyone believes in delegation. But it needs clear rules to become productive.
It requires that the delegated task be clearly defined, that there are mutually understood goals and mutually agreed-on deadlines, both for progress reports and for the accomplishment of the task. Above all, it requires clear understanding of what the person who delegates and the person who takes on the assignment expect and are committing themselves to. Delegation further requires that delegators follow up.

実際にはフォローはほとんど行われない。委譲したらそれで終わりにしている。だが、委譲しても責任は残る。仕事が適切になされたことの確認が必要となる。
They rarely do—they think they have delegated, and that’s it. But they are still accountable for performance. And so they have to follow up, have to make sure that the task gets done—and done right.

もちろん権限を委譲された者の側には、予期せぬことはすべて報告する義務がある。自分一人で処理できるなどと考えてはならない。
Finally, it is the duty of the person to whom a task is delegated to inform the delegator of anything unexpected that happens, and not to say, “But I can take care of it.”


前のセクションでは、適切なコミュニケーションによって内部の信頼関係を崩さぬようにせよという助言でした。この信頼関係は、互いに期待を裏切らないことが信じられること、あるいは期待できないことを知っていることによって支えられているといえます。

信頼関係のもとで権限委譲を行うというのは、コミュニケーションの量を減らす方法の一つでもあります。例えば、委譲した権限(内容、目標、期限)において予定通り進んでいる場合には、逐一の活動報告を省略し、報告間隔を長くするといった具合です。

だからといって、放置してよいというわけではありません。ドラッカーが上記で指摘しているように、責任は委譲できませんから適切にフォローをすることは忘れてはいけません。

2013/12/28

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