気をつけるべきこと

戦略に関してはしてはならないことがある。意見の対立を理由に目標の設定を逃げることである。ベッドの稼働率と治療のいずれを選ぶかという選択を避けたためにつぶれそうになった病院がある。
There is one don’t on strategy. Don’t avoid defining your goals because it might be thought “controversial.” This strategy almost destroyed a major hospital, which attempted to brush under the rug one tough and highly controversial question: Are we trying to fill as many of our beds as possible, or are we trying to deliver the best patient care?

戦略の実行の仕方については妥協が必要とされることもある。しかし目標に関しては妥協も二股も許されない。
With strategy, one always makes compromises on implementation. But one does not compromise on goals, does not pussyfoot around them, does not try to serve two masters.

もう一つしてはならないことがある。違うマーケットに同一のメッセージを持って乗り込むことである。
Here is another don’t: Don’t try to reach different market segments with the same message.


つぶれそうになった病院の話とは、眼科で有名なある病院で、治療を優先するために専門クリニックを設立して手術部門を移すという医師の意見と、ベッドの稼働率が下がってしまうことを嫌う理事会の意見が対立し、嫌気がさした医師が辞めていったために、病院が身売りされたというエピソードです。

意見が対立したときには、それを放置せず、組織のミッションに照らしていずれを大事な価値なのかを考え直して、戦略に反映すべきということです。

「違うマーケットに同一のメッセージ」というのは、セグメント分けの誤りのことです。同じ属性だと思ってひとまとめにしてマーケティングしていたが、結果が芳しくないときには、セグメント分けが違っているかもしれないと疑うことを勧めているのです。

ドラッカーは、してはならないこととして挙げていますが、事前にわかるとは限らないので、決めた期間で結果が出ないならばセグメント分けを見直すということを予め決めておくのが良いのではないでしょうか。

2013/12/5

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