1章 マネジメントは理解されていない
現代社会における不可欠の存在
マネジメントとは、事業に命を与えるダイナミックな存在である。
彼らの仕事ぶりが事業の成功、さらには事業の存続さえ決する。
マネジメントこそ、企業が持ちうる唯一の意味ある優位性である。
マネジメントとは、現代社会の信念の具現である。
- 資源を組織化することによって、人類の生活を向上させることができるという信念
- 経済発展が、人類福祉の向上と社会正義の実現の強力な原動力になるとの信念
経済発展を支える鍵
今後数十年(著作は1954年)にわたって、自由世界にとって、マネジメントの能力、真摯さ、仕事ぶりが、決定的に重要役割を果たす。
我々に進歩をもたらし、独善と自己満足と怠惰を回避させることができるものは、卓越したマネジメント能力とそのたえざる向上をおいてほかにない。
マネジメントは理解されていない
マネジメントは、その重要度の高さ、目立ち方、発展ぶりにもかかわらず、社会の基本的機関のうち、もっともも知られず、もっとも理解されていない。
マネジメントと何か。何をするものか。
- トップマネジメントである=ボスと同義
- 人の仕事をマネジメントする者
→ これでは答えになっていない。
マネジメントは機関である。機関は、役割によってのみ説明され、明らかにされる。
マネジメントは組織体に特有の機関である。組織体が機能するためにはマネジメントを必要とする。