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このサイトは、ドラッカーの「チェンジ・リーダーの条件」の抜粋です。
書籍の一番最初にドラッカーからの「日本の読者へ」という序文があるので一部紹介します。
明日の日本について、一つ確かなことがある。それは、マネジメントの役割がさらに大きくない、企業だけでなく大学や病院などあらゆる組織にとって、命運を決する鍵を握る存在になるということである。
個々の組織におけるマネジメントの役割がますます大きくなっていく。なぜならば本書が明らかにしているように、情報を知識に転換し、その知識を行動に具体化することこそ、マネジメントの役割だからである。
日本において労働人口の最大の層を占めるのは、知識労働者である。彼ら知識労働者は、かつてのような意味でマネジメントされるような存在ではなく、方向づけのみされる存在である。
もはやマネジメントは専門的な技能ではなく、一般教養である。一般教養とは、教育ある人間が、自らの役割を果たすために知っておかなければならないことである。あらゆる人間が、マネジメントとは何のことであり、その基礎となるものがなんであるかを知らなければならない。それが前提とするもの、価値を置くもの、目標とするものがなんであるかを理解しなければならない。
Part1 マネジメントとは何か
1章 マネジメントは理解されていない
現代社会における不可欠の存在|経済発展を支える鍵|マネジメントは理解されていない
2章 社会的機能および一般教養としてのマネジメント
成功がもたらした問題|知識を生産資源に変える|教育訓練がもたらした大変化|知識を仕事に適用する|マネジメントと起業家精神はコインの表裏|マネジメントが直面する問題|マネジメントとは何か|マネジメントは人間学である
Part2 マネジメントの課題
1章マネジメントの役割とは何か
果たすべき3つの役割|組織の使命を果たす|働く人を生かす|社会的責任を果たす
2章われわれの事業は何か
利益と社会貢献は矛盾しない|企業の目的は一つ ー 顧客の創造|顧客から出発せよ|新しい経済満足を生み出す|われわれの事業は何か|顧客は誰か|われわれの事業は何になるか|何を廃棄するか|目標を具体化する|マーケティングの目標|イノベーションの目標|経営資源の目標|生産性の目標|社会的責任の目標|利益の目標
3章事業を定義する
もはや前提が時代遅れだ|IBMが直面した現実|GMはなぜ失敗したのか|現実が前提を変えてしまった|成長市場を無視したツケ|事業の定義|4つの条件|定義は必ず陳腐化する|問題を早期に発見する|予期せぬ成功と失敗|定義を見直す
4章NPOは企業に何を教えるか
最も進んだマネジメント|組織の使命からスタートする|成果に焦点を合わせる|取締役会の手本とするべき理事会|無給だからこそ満足を求める|無給スタッフが必要とするもの|やりがいの問題 - 企業への警告
Part3 マネジメントの責任
1章 企業の所有者が変わった
年金基金の台頭|もはや投資家ではない|成果と仕事に対する責任|利害当事者のためのマネジメント|株主のためのマネジメント|「富の創出能力」を最大化する|マネジメントの仕事ぶりを評価する
2章 いかにして社会的責任を果たすか
組織の存在理由|社会に与える影響に対する責任|いかにして対処するか|社会の問題を機会に変える|社会的責任の限界|権限の限界を知る|組織が果たすべき最大の貢献|プロフェッショナルの倫理|「知りながら害をなすな」
Part4 マネジメントの基礎知識
1章 マネジメントの常識が変わった
パラダイムは不変ではない|マネジメントは企業だけのためのものか|組織の正しい構造は一つか|人をマネジメントする正しい方法は一つか|技術と市場とニーズは不可分か|マネジメントの範囲は法的に規定されるか|マネジメントの対象は国内に限られるか|マネジメントの世界は組織の内部にあるのか
2章 「道具としての情報」を使いこなす
企業のコンセプトが変わった|原価計算から成果管理へ|経済連鎖全体のコストを管理する|価格主導のコスト管理が不可欠|富を創出するための情報|基礎情報|生産性情報|卓越性情報|資金情報と人材情報|事業の成果はどこにあるか|情報を一つのシステムに統合する
3章 目標と自己管理によるマネジメント
何に焦点を合わせるか|方向づけを間違えるおそれ|何を目標とすべきか|キャンペーンによるマネジメントは失敗する|一人ひとりの目標を明らかにする|自己管理によるマネジメントに必要なもの|報告と手続きに支配されるな|個人の目標と全体と利益を調和させる原理
4章 人事の原則
一流の人事はどこが違うのか|共通する4つの原則|踏むべき手順|失敗したらどうするか|人事には姿勢が現れる
5章 同族企業のマネジメント
生き残りを左右する原則|できの悪いものは働かせるな|トップマネジメントに一族以外からも採用せよ|専門的な地位には一族以外の者も必要|適切な仲裁人を外部に用意せよ
Part5 起業家精神のマネジメント
1章 予測できないことを起こす
明日をつくるために今日何をすべきか|「すでに起こった未来」を探せ|どこに「未来」を探すか|新しい現実が見える|「ビジョン」を実現する|天才の創造性はいらない|未来において何かを起こす可能性
2章 既存の企業がイノベーションに成功する条件
「大企業はイノベーションを生まない」は本当か|起業家精神が生まれる構造|新しい事業をおろそかにしない方法|起業家マネジメントにおけるタブー
3章 ベンチャーのマネジメント
成功のための4つの原則|常に市場中心で考える|財務上の見通しを立てておく|トップ・チームを構築する|創業者はいかに貢献できるか|自分の得意、不得意を考える|相談相手をもつ
4章 起業家が取るべき戦略
4つの戦略/総力戦略|市場の支配を目指す/創造的模倣戦略|ゲリラ戦略1/柔道戦略|ゲリラ戦略2/新規参入者に市場を奪われる原因|5つの悪癖/関所戦略|ニッチ戦略1/専門技術戦略|ニッチ戦略2/専門市場戦略|ニッチ戦略3/効用戦略|顧客創造戦略1/価格戦略|顧客創造戦略2/事情戦略|顧客創造戦略3/価値戦略|顧客創造戦略4
付章 イノベーションか廃業か|金融サービス業の岐路
なぜシティは再興できたか|金融サービス業は生まれ変わった|新たなイノベーションが急務|30年間の空白|取るべき道は3つしかない|新しい金融サービスは可能か